肝臓・消化器内科

診療実績

急性肝炎

急性肝炎のうちウイルス性肝炎はA,B,C型の肝炎ウイルスによるもの、EBウイルス,サイトメガロウイルス,ヘルペスウイルスなど肝炎ウイルス以外のウイルスによるものがあります。そのほかにも自己免疫性肝炎、薬物性と多岐に亘りますが、それらを正確に診断し、診断に基づいた適切な治療を行います。
急性肝炎は、その原因ウイルスにより経過と重症度が異なります。
A型肝炎は、一過性に経過し慢性化することはありません。
B型肝炎は新生児、小児期に感染すると高率に慢性化しますが、成人例での感染は原則一過性感染で経過し慢性化することは稀です。
C型肝炎は、感染時年齢に関係無く高率に慢性化します。

診療実績

慢性肝炎・肝硬変

<B型肝炎>

B型肝炎は、感染する時期によって経過が大きく違ってきます。
免疫力の発達していない乳幼児期に、B型肝炎ウイルスに感染すると抗体ができず、ウイルスは体のなかに存在し続けます(持続性感染)。これらの人をウイルス保有者(キャリア)といい、キャリアの一部(約15%)が慢性肝炎を起こします。
また最近、血液からB型肝炎ウイルスが消えている人のなかでも、免疫に影響を与えるような薬(抗がん剤など)が投与されると、ウイルスが再び血液中に出現することがあることがわかりました。
B型慢性肝炎の治療では,薬などによりウイルスの増殖を継続的に抑制することで肝炎を鎮静化し,肝臓の線維化を改善し,肝ガンの発生を予防することが主な治療目標となります。
当院では、ウイルス遺伝子に直接作用して強力な抗ウイルス効果をもたらすラミブジン治療、さらにそのラミブジン耐性ウイルスによる肝炎に対してのアデフォビルによる治療にも経験が深く、専門的診療を行っています。また、これらの薬は長期間飲みつづけなくてはならないので、薬に対する耐性株ができにくい、エンテカビルやテノホビルでの治療も積極的に行っています。

<C型肝炎>

C型肝炎治療は急速に進歩しました。2014年9月には飲み薬だけの治療薬がわが国でも使えるようになりました。当院では、ウイルスの遺伝子型(Genotype)と肝組織の進行度に応じて、インターフェロンフリー経口剤治療を行っています。副作用や高齢のためにインターフェロン治療を行えなかった方やインターフェロンでは効果がなかった方などにも、高い治療効果を上げています。新薬が次々に開発されていますので、当院では副作用の少ない最新の治療を提供することが可能です。
また、ウイルス消失をめざすのみではなく、肝不全、肝癌発生抑止を念頭においた治療など、テーラーメイド総合治療を心がけています。

<肝硬変>

肝硬変に対しては、予後の改善と生活の質の向上を考えて、病期に応じた適切な栄養指導とアミノ酸製剤を含めた薬剤治療を行っています。

肝癌

肝細胞がんに対しては、まず、外科治療(肝切除)やエタノール注入療法、マイクロ波凝固法などの、局所的で完治の可能性が比較的高い手法による治療を行います。
ついで、肝動脈塞栓療法(TACE)[肝臓内の腫瘍に栄養を送る細い動脈までカテーテルを進め、そこで抗がん剤などを入れ、動脈の血流を遮断し、腫瘍細胞を壊死させる方法]による治療を検討します。
そのほか、肝動脈留置カテーテルを用いた持続的肝動脈化学療法動注療法を行っています。
マルチキナーゼ阻害剤(ソラフェニブ)[がん細胞の増殖に関わる「MAPキナーゼ経路」をブロックする作用に加えて、腫瘍が広がる際に新たな血管が作られないようにする「血管新生の阻害」作用を持つ抗がん剤]による治療も行っています。

内服治療の効果が不十分な腹水に対して、従来は腹水濾過濃縮再静注(CART)を行っていましたが、一昨年よりCARTの欠点を解消した改良型CART(KM-CART)の研修を受け、治療を開始しました。

内視鏡下治療

食道・胃静脈瘤に対しては、血流評価を十分に行った後に内視鏡下硬化療法、結紮術あるいはその組み合わせによる治療、アルゴンプラズマでの地固め治療を行っています。
胃・大腸に対して内視鏡下ポリペクトミー、粘膜切除術を行っています。
通常の上部内視鏡検査は月曜から金曜の毎日施行しており、急ぐ必要のある場合は当日検査も可能です。
下部内視鏡検査は前処置が必要となりますので、予約が必要ですが、ほぼ毎日検査が可能です。