理事長あいさつ

春暖の候、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は当院の運営に多大なるご支援を賜り、誠に有難うございます。厚く御礼申し上げます。
今回のオミクロン株による新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大(第6波)は高齢者施設などでのクラスターが相次ぎ、ピークアウトした後もなお高止まり状態が続いています。長引くコロナ禍でお疲れの中、日常診療に加えて、発熱外来やワクチン接種などで日々ご多忙のことと拝察します。誠にご苦労様です。当院でもこれまで217例の入院治療を含めコロナ診療に携わって社会的責務の一端を果たしてきましたが、1日も早い収束を願うばかりです。
当院は1922年(大正11年)6月20日に「熊本逓信診療所」として開設されており、まもなく100周年の節目を迎えます。また、7月1日で医療法人化後11年、「くまもと森都総合病院」となって10年の節目を迎えますが、NTT西日本東海病院が漸く昨年10月に民間に移譲されたので、かつてのNTT西日本傘下9病院のうち当院のみが独立できたことになりました。2016年の熊本地震で甚大な被害を被った旧病院棟での危機的な状況を何とか乗り越え、新病院での診療も4月1日で早くも6年目になりました。これも偏に皆様方の温かいご支援・ご指導のお陰と、改めて深く感謝申し上げます。
今春44名の新入職者(医師7名、初期研修医2名、薬剤師2名、看護師30名、臨床検査技師1名、管理栄養士1名、理学療法士1名)があり、新たな戦力として加わりました。退職された西村令喜前院長の後任に鈴島仁院長、高田興志整形外科部長の後任に山部聡一郎部長、畑中義美放射線科部長の後任に幸秀明部長、森岡淳子薬剤部長の後任に八木秀明部長が就任しました。コロナ禍後あるいは2040年の医療提供体制を見据えた改革、医師の働き方改革、などへの対応を踏まえて、各診療科の特徴を積極的にアピールするとともに顔の見える関係づくりに努めて、新入院患者数増加、紹介・逆紹介の促進、救急応需率向上を図ります。情報発信の機会を増やすべく、4月からスタートする職員向けの「Shinto医学講座」や各診療科の勉強会に院外からも気軽に参加していただけるよう、ハイブリット形式での開催を企画しています。
本年度も質の高い医療を通じて地域に愛され、親しまれる、地域に密着した病院を目指して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2022年4月1日
医療法人創起会 くまもと森都総合病院
理事長 藤山 重俊
院長あいさつ

西村令喜前病院長の後任として、本年4月に病院長に就任しました鈴島仁です。25年前に熊本大学から当院に赴任しまして、これまでに血液内科を中心に内科全般の診療を担当して参りました。私が医師として働き始めた頃は、まだ医療界が元気な時代でしたが、日本経済の低迷とともに医療や福祉に対する厳しさは増す一方で、時代の変遷を肌で感じてきております。今後、将来の日本の人口減少時代を見据えての医療機関の対応が喫緊の課題となってきますが、そのような時期に病院の舵取りを任される立場になったことを、これも運命なのかなと感じています。
最初は一内科医としての派遣ではあったのですが、その後2000年の病院機能評価の受審、2006年の新医師臨床研修制度による基幹型施設への申請、2011年のNTTの企業立病院からの独立(医療法人化)、2016年の熊本地震による病院損壊の対応、新病院建設準備から2017年の移転までの対応、地域医療構想による急性期病院としての生き残りの対応、そして最近の新型コロナ感染症対応といろいろなことに中心となって関わってきました。おかげで通常の自身の診療だけでは経験できなかった病院運営に関してのいろいろな経験を積ませていただきました。今後、医療界はさらに大変な時期を迎えます。
今回の診療報酬改定では、さらに急性期病院の絞り込みが推進され、また2024年には医師の働き方改革が待っています。当院では以前からメディカルスタッフへのタスクシフティングはかなり行われており、チーム医療も良好にできている自負があったのですが、救急医療を継続していく上で医師の宿日直許可の問題が解決できておらず、私の最初の大きな課題と認識しています。
また、団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題、その後にくる人口減少時代に対応する病院運営対策も私に課せられた一番重要なミッションであり、そのためにも患者さん中心の地域医療構想の中の一医療機関として、他の医療機関や福祉関連施設と連携し、将来的に地域医療への更なる貢献を目指して病院の体制を整えていく所存です。
今後も皆様方の、当院に対しての忌憚のないご意見をいただけましたら幸いです。
2022年4月1日
医療法人創起会 くまもと森都総合病院
院長 鈴島 仁