主な対象疾患の詳細

主な対象疾患の詳細

肝硬変

肝硬変は、慢性的な肝障害により肝細胞が壊れ、線維化と再生結節が形成される進行性疾患です。原因はC型・B型肝炎、アルコール、脂肪肝炎などが代表的です。進行すると肝細胞癌のリスクが高まり、門脈圧亢進による食道胃静脈瘤や腹水や黄疸の出現とともに肝不全をきたします。初期は無症状のことも多く、定期的な画像・血液検査が重要です。治療は原因除去、合併症管理、肝移植が最終的選択となります。

総胆管結石

総胆管結石は、胆嚢内で生じた結石が総胆管へ移動するか、まれに総胆管内で形成される病態です。結石により胆汁流出が障害されると、右季肋部痛、黄疸、発熱を伴う胆管炎を発症することがあります。診断は超音波、CT、MRCPやERCPが有用です。治療はまず感染や閉塞の解除が重要で、内視鏡的乳頭括約筋切開術による結石除去が標準的です。根治のためには胆嚢摘出術を行い、再発を予防します。

急性白血病

急性白血病は、骨髄で血液をつくる細胞が急にがん化し、正常な血液の細胞が造れなくなる病気です。発熱、強いだるさ、息切れ(貧血)、青あざや鼻血(出血しやすい)、治りにくい風邪や口内炎(感染)などが、病気の発症の手がかりになります。診断は血液検査と骨髄検査で確定し、主に急性骨髄性白血病(AML)と急性リンパ性白血病(ALL)に分かれます。治療の柱は抗がん剤で、遺伝子変異に応じた分子標的薬や免疫療法を併用することもあります。必要に応じて造血幹細胞移植(自分やドナーの細胞を使う治療)を行います。治療中は感染予防、輸血や吐き気・口内炎・脱毛など副作用への対策を専門チームが行います。近年は治療成績が向上し、治る可能性もあります。気になる症状が続く場合は、早めに血液内科を受診してください。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、体の免疫を担うリンパ球ががん化して増える病気で、首・わき・足のつけ根などのリンパ節の腫れ、発熱・寝汗・体重減少(いわゆるB症状)、だるさやかゆみなどが現れることがあります。種類はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、さらに多くの細かなタイプに分かれます。診断は血液検査やPET/CTに加え、確定のためリンパ節などの組織を切り取って調べます。治療はタイプや進行度、年齢・体力で変わりますが、抗がん薬と抗体薬を組み合わせた化学療法が基本で、放射線療法、分子標的薬、CAR-T療法、造血幹細胞移植などを選択することもあります。最近は治療の選択肢が広がり、治癒や長期に病気を抑えることが期待できます。気になる症状が続く場合は、早めに血液内科へご相談ください。

うっ血性心不全

うっ血性心不全は、心臓という「血液ポンプ」の力が弱まり、全身へ十分な血液を送れなくなる状態です。行き場を失った血液や水分が肺や脚にたまり、息切れ、むくみ、体重増加、夜間の頻尿、だるさなどが起こります。原因は高血圧や冠動脈疾患(心筋梗塞の後など)、心臓弁膜症、不整脈、心筋症など多様です。診断には聴診や血液検査、胸部レントゲン、心エコーなどを組み合わせます。治療は利尿薬で余分な水分を減らし、ACE阻害薬/ARBやARNI、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬といった心保護薬を用いて心臓の負担を軽くします。その他にも塩分を控える、体重を毎日測る、禁煙・節酒、適度な運動、ワクチン接種も大切です。急な息苦しさや胸痛、急速な体重増加があれば早めに受診しましょう。

不整脈

心臓は電気信号で拍動を刻むポンプで、その電気の通り道やリズムが乱れると不整脈が起きます。加齢や高血圧、心筋梗塞後、心不全、甲状腺の異常、脱水、薬の副作用などが関係します。症状は動悸や脈の乱れ感だけでなく、「ふらつき」「疲れやすさ」「運動時の息切れ」として現れることもあります。検査は心電図が基本で、発作がとらえにくい場合は携帯型記録器や貼り付け型心電計で日常生活中の脈を監視します。治療は原因の是正と再発予防が柱で、塩分・飲酒・喫煙の見直し、体重・血圧・血糖の管理、規則正しい睡眠が土台です。心房細動では脳梗塞予防のため抗凝固薬が重要となることがあります。脈が非常に遅い・速い、胸痛や冷汗、意識消失を伴うときは命に関わる可能性があるため、迷わず救急受診を。

慢性腎臓病(CKD)

現在、わが国には約2000万人のCKD患者さんがいるといわれ、これは成人の5人に1人にあたる数です。CKDとは、腎臓の働きが健康な人の60%未満に低下するか、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が3ヶ月以上続く状態をいいます。腎臓の働きがなくなると透析という治療が必要になるだけでなく、腎臓の働きが低下するのにあわせて心臓病や脳卒中といった心血管病にかかりやすくなることもわかっており、なるべく早い段階からCKDの治療を始めて腎臓の働きが低下するのを遅らせることが重要となります。当院では、CKDの進行や心血管病の発症を抑えるために必要なポイントをまとめた上で今後の治療方針を提示いたします。病状が安定している患者さんにつきましては引き続きかかりつけ医での診療をお願いしますが、必要があれば当院でも状態を年2~3回確認させていただき、それ以外で再受診した方が良いときの目安についてもご説明いたします。また、CKDの治療においては管理栄養士による生活食事指導も推奨されています。患者さんの生活スタイルにあわせてきめ細かな指導を進めてまいりますので、食事療法でお困りのときはご遠慮なくご相談下さい。

慢性糸球体腎炎

腎臓病の原因の一つに慢性糸球体腎炎があります。慢性糸球体腎炎の場合、尿検査をするとタンパク尿や血尿が出ていることが多く、尿タンパクの漏れや血尿がひどくなると病気の進行も速くなります。慢性糸球体腎炎にはさまざまなタイプがあり、それぞれ治療法も異なります。どのタイプの異常があるか、その原因を調べるために腎生検という検査が必要となる場合があります。当院では熊本大学病院と連携して腎生検を行っています。腎生検で得られた診断を踏まえて最適な治療方針を提案いたします。慢性糸球体腎炎の治療においてはステロイド療法や免疫抑制療法といった特殊な治療を行わなければならないことも多く、時には膠原病や血液疾患などを合併していることもありますが、これらの病気を合併していたとしても当院では各々の専門医と連携しながら治療を進めることができる診療体制が整っています。また、病気が重症な場合でも血液中に存在する原因物質をいち早く取り除くことができる血液吸着療法や血漿交換療法といった血液浄化療法を行うことも可能です。

関節リウマチ

関節リウマチは、体の免疫が自分の関節を誤って攻撃し、炎症が長く続く病気です。手指や足の小さな関節から始まり、左右対称に腫れ・痛み・こわばりが出ることが多く、朝に指が動かしにくい「朝のこわばり」が典型的です。放っておくと軟骨や骨が傷み、関節が変形して日常生活に支障が出ることがあります。全身症状として、だるさ・微熱・食欲低下・貧血などがみられることも。診断は症状の経過、血液検査(炎症の数値、リウマトイド因子、抗CCP抗体など)や超音波・X線・MRI等を組み合わせて行います。治療の柱は「早期から炎症を抑えて関節破壊を防ぐ」ことで、病気の勢いに合わせて抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)、生物学的製剤、JAK阻害薬などを使い分けます。痛み止めや少量のステロイドは補助的に用います。併せて、リハビリで関節を守る動作や筋力を学び、禁煙・適正体重の維持・十分な睡眠・口腔ケア・ワクチン接種(インフルエンザや肺炎球菌など)も重要です。最近は治療法が進歩し、症状をよくコントロールして仕事や家事を続けられる方が増えています。「手の腫れが続く」「朝こわばりが1時間以上」などがあれば、早めに受診しましょう。

全身性エリテマトーデス(SLE)

全身性エリテマトーデス(SLE)は、体の「警備隊」である免疫が誤作動し、あちこちに炎症を起こす病気です。特徴は“波がある”ことで、落ち着いている時期(寛解)と、症状が強くなる時期(増悪)を繰り返します。皮膚の発疹や関節痛、強い疲労感、発熱、日光で悪化する症状のほか、腎臓・肺・心臓・脳などの臓器が影響を受けることがあります。早期発見の目安として、原因不明の発熱が続く、日光で具合が悪くなる、尿の泡立ちやむくみが増える、手足がしびれるなどがあれば受診を。診断は血液・尿検査と症状の組み合わせで行い、病気の勢い(活動性)を見ながら治療を決めます。治療の中心は、炎症を素早く抑える薬と、再発を防ぐ維持療法です。副作用を減らすために用量を細かく調整し、感染症対策(手洗い、ワクチン※不活化が基本)や十分な睡眠も重要です。紫外線は症状を悪化させやすいため、外出時は日焼け止め・帽子・日傘で予防を。ストレスや過労、喫煙、無理なダイエットは避けましょう。妊娠を望む場合や手術の予定がある場合は、早めに主治医へ相談してください。SLEは適切な治療と自己管理で長期的なコントロールが可能です。「焦らず、続けて整える」ことで、生活の質を守ることができます。

気管支喘息

気管支喘息は、空気の通り道である気管支が慢性的に炎症を起こし、狭くなりやすい体質があるために、発作的に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音や、咳、息苦しさが出る病気です。ダニやハウスダスト、花粉、カビ、たばこの煙、冷たい空気、運動、風邪などがきっかけで症状が悪化します。治療の中心は「炎症を抑えること」で、毎日使う吸入ステロイド薬が基本です。必要に応じて、気管支を広げる長時間作用型吸入薬や、発作時に使う短時間作用型吸入薬を併用します。症状が軽くても気管支の炎症は続いているため、自己判断で薬を中断すると悪化しやすくなりますので自己判断で治療薬の中止をしないことが大切です。家庭でできる対策としては、寝具のダニ対策、部屋の換気・掃除、ペットやカビの管理、冷気への配慮、禁煙が有効です。
喘息は急激に悪化する「増悪」をおこすことがあります。夜間に何度も咳や息苦しさで目が覚める、短時間作用型の吸入薬が効きにくい、会話が途切れる、唇が紫色になるなどの危険サインがあれば、速やかに医療機関を受診してください。自分専用の「増悪時対応プラン」を医師と作っておくなど適切な治療と生活管理を行うことで、多くの方が運動や仕事・学業を含め、普段通りの生活を送れます。

呼吸器感染症

「呼吸器感染症」は、空気の通り道に病原体がついて増えることで起こります。原因の多くはウイルスで、細菌やまれに真菌もあります。主な症状は、発熱、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、せき、たん、だるさ、息切れなどです。多くは数日~1週間で軽快しますが、高齢者、基礎疾患のある人、妊婦、乳幼児では重症化しやすく注意が必要です。
治療は原因と重症度で異なり、解熱・鎮痛・去たん薬などの症状をやわらげるお薬や、吸入治療、必要に応じ抗ウイルス薬や抗菌薬、酸素投与を行います。流行期に家庭でできる対策は、ワクチンの計画接種、手洗い、マスク着用、室内の換気・加湿、体調不良時の無理な出勤・通学を控えること、十分な睡眠と栄養、禁煙です。
受診の目安は、呼吸が苦しい、高熱が続く、水分がとれない、意識がもうろうとする、胸の痛み、唇や爪の色が青紫色にみえるチアノーゼ、持病の悪化などがあげられます。抗生物質は細菌にのみ有効で、ウイルス性のかぜには効きません。自己判断で余った薬を飲まず、医師の指示に従いましょう。早めの相談と適切な予防で、日常生活への影響を最小限にできます。

胆石症

一般的には胆嚢結石症を指します。胆嚢は、右上腹部、右の肋骨の下の奥にある肝臓の下面にくっついている臓器で、肝臓でつくられる胆汁を貯めて濃縮します。濃縮された胆汁は総胆管から十二指腸へ注がれ油脂の分解を助けます。この胆汁成分のアンバランスや胆嚢の動きが悪いと結石ができる原因となります。一般人口の約10%のひとが胆石を持っているといわれています。右上腹部だけでなく、みぞおち、左胸部、腰背部や肩の痛みとして症状が出ることがあります。無症状の方は原則、治療の必要はありません。症状があれば治療したほうがいいでしょう。治療法は、内科的治療と外科的治療に分かれます。内科的治療には、経口胆石溶解療法、体外衝撃波などがありますが、消失率と再発率に問題があります。外科的治療法である胆嚢摘出術は、胆嚢結石ができる場所をなくしてしまうという意味で根本的な治療といえます。術後、軟便や下痢などの消化器症状が起こることがあります。

大人の鼠径部ヘルニア

足の付け根あたり(鼠径部)の筋肉や筋肉のつなぎ目が緩んだりして腹壁に穴が開く病気です。立っている時はその穴を通って、皮膚の下に腹膜の袋をかぶった腸などが飛び出してポッコリ膨らみます。仰向けに寝ている時は飛び出した内臓がおなかの中に納まり、何も無かったように見えます。自然に治ることはなく、徐々に大きくなります。発生原因は、腹壁全体の筋肉の脆弱化、過度の腹圧がかかるような仕事、肥満、便秘症、過度の咳、妊娠などです。
飛び出した内臓が戻らなくなり、その血流が悪くなることを嵌頓と言います。のたうち回るような痛みを伴い非常に危険な状態です。こうなる前に医療機関を受診しましょう。治療法は手術です。人体に使用しても安全な人工物の網(メッシュ)を用いて穴を修復します。近年では腹腔鏡下手術によるメッシュ法も増えています。術後数日で日常生活に戻れますが、手術後3~4週間は重いものを持つことや激しい運動などは控えましょう。

乳がん

乳がんは日本人女性の9人に1人が発症する最も多いがんですが、「早く見つけ、適切に向き合う」ことで予後が大きく変わります。40歳以上の方は月1回の自己チェックや2年に1度のマンモグラフィ、エコー検診をお勧めしています。がんが確定した場合、その性質や進行度により治療は人それぞれ違います。手術や薬物治療、放射線治療を組み合わせて根治を目指します。副作用対策や外見のケア、リンパ浮腫予防、リハビリ、栄養・運動支援を組み合わせることで生活の質を保てるので、仕事や子育てを続けながらの治療も十分可能です。不安や治療の悩みは一人で抱え込まず、医師や看護師、がん相談支援センターに気軽に相談してください。

乳腺良性腫瘍

乳房のしこり=乳がん、ではありません。乳腺良性腫瘍は、乳腺の細胞が過剰に増えてできる“良性の塊”で、周りの組織を押しのけているだけです。がんのように無限に増殖したり、正常な細胞を破壊したりしないので、命には関わりません。線維腺腫は若い女性に多く、コロコロ動く丸いしこりとして見つかります。乳腺嚢胞は袋状に液体がたまったものです。乳管内乳頭腫は乳頭分泌液を伴うことがあり、血が混じる場合は精査が必要です。年齢や画像検査でほとんどが診断可能ですが、わかりにくい場合は針生検を行います。治療は必要ありませんが、「急に大きくなる」「見た目が気になる」などの場合は手術による切除を検討することもあります。

子宮頸がん

子宮頸がんとは
・子宮は「子宮頸部(けいぶ)」と「子宮体部」に分かれます
・子宮頸がんは、子宮頸部にできるがんです
・主な原因は ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
・HPVは性交を通じて感染しますが、多くは自然に消えます
・一部は長期感染し、前がん病変からがんに進行することがあります

症状
・初期はほとんど自覚症状がありません
・進行すると:
 ○性交時の出血
 ○月経以外の不正性器出血
 ○おりもの(帯下)の異常
・さらに進むと:
 ○下腹部痛、腰痛
 ○血尿や血便

検診と診断
・子宮頸がんは 検診で早期発見できる数少ないがん
・主な検査:
 ○細胞診:子宮頸部の細胞を調べる
 ○HPV検査:がんの原因となるウイルス感染を調べる
・異常があれば、拡大鏡検査、組織診、MRI・CTなどで詳しく調べます

治療
・がんの進行度、年齢、妊娠希望の有無によって治療方針が変わります
・主な治療法:
 ○円錐切除術(ごく早期・妊娠希望ありでも可能)
 ○子宮全摘術(進行例や妊娠希望がない場合)
 ○放射線治療や抗がん剤治療
 ○分子標的薬・免疫療法(進行・再発例で一部使用)

予防と早期発見
・HPVワクチン:感染を防ぎ、将来の発症リスクを下げます
・子宮頸がん検診:症状がなくても定期的に受けることが大切
・ワクチン+検診の二本柱で守れるがんです

まとめ
・子宮頸がんは 予防できるがん です
・早期に見つかれば治る可能性が高い病気です
・ワクチン接種と定期的な検診を受け、安心して毎日を過ごしましょう

子宮体がん

子宮体がんとは
・子宮は「子宮頸部」と「子宮体部」に分かれます
・子宮体がんは、子宮体部の内側を覆う 子宮内膜 から発生するがんで、別名「子宮内膜がん」と呼ばれます
・40~60代、特に閉経前後の女性に多くみられます

リスク要因
女性ホルモンの不均衡(エストロゲンの作用が強すぎる状態)
肥満・糖尿病・高血圧などの生活習慣病
月経不順や不排卵の持続
出産経験がないこと
ホルモン補充療法でエストロゲン単独使用
 **遺伝性疾患(リンチ症候群など)**との関連も指摘

症状
・最も多いのは 不正性器出血(閉経後の出血は要注意)
・その他:
 ○おりものの異常(血が混じる・膿のようになる)
 ○下腹部痛、性交痛
 ○進行すると腰痛や下肢のむくみ

検査と診断
経腟超音波検査:子宮内膜の厚さを測定
内膜細胞診・組織診:子宮内膜を採取し病理検査
子宮鏡検査:内腔を観察し組織を取る
画像検査(MRI・CT・PET-CTなど):がんの広がりや転移を評価

治療
・基本は 手術療法
 ○子宮全摘出術+卵巣・卵管切除
 ○状況によりリンパ節郭清を追加
 ○腹腔鏡手術やロボット手術も導入されています
補助療法(術後):
 ○化学療法(例:パクリタキセル+カルボプラチン)
 ○放射線療法(再発予防のため)
妊娠希望のある若年患者
 ○ごく初期で条件を満たせば、ホルモン療法(プロゲステロン製剤)による子宮温存も検討可能

予後と経過観察
・早期に発見されれば治癒率は高く、子宮内にとどまる段階では 80%以上が治癒可能
・進行している場合やリンパ節転移がある場合は再発リスクが高くなります
・治療後は 定期的な検診・画像検査で経過をしっかり確認することが重要

まとめ
・子宮体がんは 閉経前後に多いがん です
・典型的な症状は 不正性器出血
・生活習慣病やホルモンの影響が関与するため、リスク因子を知っておくことが大切
・早期発見・早期治療で予後は良好です
・気になる症状があれば、早めに婦人科を受診しましょう

難治性角膜疾患「水疱性角膜症」

水疱性角膜症は、角膜内皮細胞が減少・機能低下して角膜に水がたまり、濁りや表面の小さな水疱を生じる病気です。見えにくい、かすむ、強いまぶしさ、朝に悪化しやすい、しみる痛みなどが現れます。原因は白内障手術後、フックス角膜内皮ジストロフィー、外傷、緑内障手術など。治療は点眼や軟膏、保護用コンタクトレンズ、眼圧コントロールで症状を和らげ、根本的には角膜移植(内皮移植:DMEK/DSAEK 等)で透明性の回復を目指します。症状が続く場合は早めにご相談ください。

白内障

白内障は、水晶体が加齢などで濁り、視界のかすみ・まぶしさ・ぼやけ・二重に見える等を生じる病気です。原因は加齢が最多で、糖尿病、ステロイド内服、眼外傷、紫外線などでも進行します。点眼で進行を緩やかにできる場合はありますが、見え方を根本的に改善する治療は手術です。濁った水晶体を除去し眼内レンズを挿入します。手術は通常局所麻酔で短時間、翌日から多くの方が回復を実感します。生活や視力のニーズに合わせたレンズ選択も可能です。見えにくさやまぶしさを感じたら早めにご相談ください。

乾癬

欧米では昔から知られている、ありふれた疾患ですが、日本では最近になり増加傾向となり、有名人が病名を公表することもあり一般にも知られるようになってきました。
ひじ、膝や頭などに比較的境目がはっきりした赤い面を生じ、その部分が厚ぼったくなり、表面にフケ状の白い付着物(落屑)があります。重症になると全身に及ぶ事もあります。一見したところ、体部白癬(タムシ)を思わせるところがあり、また病名の読み「かんせん」からも、伝染性のものと間違われやすい病気です。しかし、この病気には細菌やカビといった病原体は関係しておらず、触ったりタオル類などの共用をしても伝染する可能性はいっさいありません。
原因については長年研究されてきていますが、原因物質や病原体は見つかっておらず、高血圧や糖尿病などのように持って生まれた体質と生活習慣によって起こるものと考えられています。欧米では家族に乾癬を持つ患者が多く、体質の影響が大きいのですが、日本では家族内発症は5%程度と低く、肥満やメタボリックシンドロームとの高い関連性があるとされます。
乾癬を根治することは難しく、昔からさまざまな治療が試みられてきました。副腎皮質ホルモン軟膏など塗り薬と紫外線療法を中心とした治療を中心に、重症の人には免疫抑制剤なども使われますが、効果や副作用の点で満足しにくいものでした。しかし、ここ20年ほどの研究で、炎症を起こした部分で特定の白血球を増やして呼び寄せている物質=サイトカインの一部が、乾癬の場所で多くなっていることが確認され、サイトカインの働きを抑える抗体(生物学的製剤)の注射や、ヤヌスキナーゼ阻害剤の内服が使えるようになりました。これらは症状を劇的に軽くしますが、免疫の一部を抑えるため、時に重症の感染症を起こすこともあり、また治療費が非常な高額となる欠点があります。現在は、症状に応じて治療法を使い分けるようになっています。

帯状疱疹

中〜高年者を中心に比較的よくみられる病気です。体の一部に赤みと水ぶくれを生じ、しばしば強い痛みがあります。幼小児期に水痘(水ぼうそう)にかかった後、体内に僅かに生き残った病原体(水痘帯状疱疹ウイルス)が、加齢や体調不良による免疫力の低下により再び増えてくる事で起こります。水痘帯状疱疹ウイルスは皮膚と神経を好むため、体の表面の神経が走る部分に沿って帯状に皮膚の赤みと水疱が出るとともに痛み、しびれや違和感が起こってきます。
水疱や赤みは10日から2週間ほどでかさぶたとなり、跡を残して治ります。痛みや違和感は3〜4週間で軽くなることが多いのですが、一部の人では数ヶ月以上にわたって強く残り、「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる状態になります。
平成終わりころまでは小児の水痘の流行があり、地域の大人も水痘帯状疱疹ウイルスに触れる機会が多く、一種のワクチンのような効果がありましたが、2014年から子供の水痘ワクチンの接種が始まり水痘の流行がなくなった頃から帯状疱疹の発生率も上がってきました。このため2025年度からは65歳以上の方に帯状疱疹ワクチンの定期接種が始まっています。
帯状疱疹を起こしてしまった場合でも、多くは、のみぐすりの抗ウイルス剤で症状を軽くし早く治すことができます。しかし広い範囲に水疱が起こりやけどのようになったり、眠れないほどの強い痛みを起こす患者さんもしばしばみられます。特に顔面に起こった場合は痛みが強く、顔の腫れに加えて目にも炎症が及んで視力に障害をきたす恐れがあります。また病気や薬の影響で免疫力が低下している方は重症になりやすい傾向にあります。このような場合は入院での治療が勧められます。抗ウイルス剤の点滴静注による治療と充分な痛み対策を行い、症状により眼科、麻酔科(ペインクリニック)と協働して治療を行います。

帯状疱疹後神経痛


帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹が治ったあとも皮膚やその下の神経に傷が残り、痛みが長く続く状態です。多くは発疹が出た場所と同じ帯状の範囲に、ヒリヒリ・ズキズキ・焼けるような痛み、触れるだけで痛む「こすれ痛」、冷風や衣類の刺激で悪化する痛みが現れます。通常、帯状疱疹から3か月以上痛みが続くとこの診断が考えられます。年齢が上がるほど起こりやすく、免疫の弱りや強い痛みが初期に十分抑えられなかった場合にリスクが高まります。治療は痛みの種類に合わせて行います。神経の過敏さを抑える飲み薬(プレガバリンやガバペンチン等)、気分と痛みの回路に働く薬(ノルアドレナリン・セロトニンに作用する抗うつ薬)、局所に貼るリドカインテープや塗り薬、痛みの神経に局所麻酔を入れるブロック注射などがあります。睡眠を整え、入浴や軽い体操で血行をよくする工夫、衣服の素材をやわらかいものに変えることも有効です。予防には50歳以上を対象とした帯状疱疹ワクチンが有効とされ、発症や神経痛のリスクを下げます。痛みが長引くほど治療が難しくなることもあるため、帯状疱疹の段階から早めの受診と痛みのコントロールが大切です。

神経障害性疼痛


神経障害性疼痛は、からだの“センサー”である神経が傷ついたり働きが乱れたりして起こる痛みです。切り傷や炎症のように組織が壊れて痛むのではなく、電気配線の不具合のように“痛み信号”が過剰に流れ続けるイメージです。原因はさまざまで、帯状疱疹の後遺症、糖尿病による神経の障害、腰や首の神経の圧迫、手術・けが後、脳卒中や脊髄の病気、薬(抗がん剤など)の影響などがあります。症状は焼ける・ビリッと電気が走る・針で刺される・締め付けられるような痛み、触れるだけで痛む「こすれ痛」、冷えや温度変化での悪化、しびれや感覚の鈍さを伴うことが特徴です。一般的な鎮痛薬だけでは効きにくく、神経の過敏さを抑える薬(ガバペンチノイド系)、気分と痛み回路に働く薬(SNRIや三環系抗うつ薬)、貼り薬(リドカイン、カプサイシン)、神経ブロック注射、理学療法や作業療法、認知行動療法などを組み合わせます。まずは原因を探し、圧迫や糖尿病のコントロール不足、ビタミン欠乏など治せる要因がないかを確認することが大切です。睡眠と体温管理、軽い有酸素運動やストレッチ、肌にやさしい衣類、痛み日記での記録も助けになります。「そのうち治る」と我慢せず、日常生活や睡眠に支障がある場合は早めに医療機関で相談しましょう。

医療法人創起会くまもと森都総合病院
〒862-8655
熊本市中央区大江3丁目2番65号
TEL.096-364-6000(代表)
FAX.096-362-5204
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